(仮訳)アラビア海の無酸素帯で分離された担子菌の新種、Tritirachium candoliense
Manohar, CS. et al., 2014. Tritirachium candoliense sp. nov., a novel basidiomycetous fungus isolated from the anoxic zone of the Arabian Sea. Fungal Biology. Available at: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1878614613001529 [Accessed June 3, 2014].
【R3-00776】2014/06/04投稿

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3行まとめ

アラビア海の沿岸域で無酸素環境の海底堆積物から分離された菌を、Tritirachium candolienseとして新種記載した。
本種はトリティラキウム綱の菌類としては初めて海洋環境から分離され、初めて通性嫌気性菌として報告された種となった。
透過型電子顕微鏡による観察で、本種に無酸素ストレスを与えるとミトコンドリアのクリステや油球、細胞膜などに形態変化が生じることが明らかになった。

※本種の新種記載に先立ち、タイプ菌株のFCAS11がJebaraj et al. (2010)で報告されている。
※下の地図でのピンの位置が、おそらくgoogle mapの仕様によりずれて陸上になっているが、採集地の緯度経度は15°30’52.2″N 73°39’00.0″Eで、海上である(なお、論文中では経度が733°と表記されている)。

ca. 20 km offshore, Candolim, Goa, India

(新種)

Tritirachium candoliense Manohar, Boekhout, Muller and Stoeck
語源…キャンドリ産の(ゴア州キャンドリムのコンカニ語名より)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Tritirachium oryzae
分生子形成細胞がフラスコ形
分生子形成細胞が強く先細りになる
SSU+ITS+LSU+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり海洋ではなく陸上に分布する
本種と異なり分生子形成細胞が枝の末端で輪生することがない
本種より分生子が短い
本種と異なり菌糸が単核菌糸ではなく多核菌糸である
本種と異なりコロニーが帯桃色~帯紫色ではなく淡い帯紫ライラック色
SSU+ITS+LSU+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tritirachium dependens
分生子形成細胞がフラスコ形
分生子形成細胞が強く先細りになる
分生子形成細胞の配列が類似している(枝の末端に輪生する)
リバースが暗紫色でほぼ同色
SSU+ITS+LSU+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり海洋ではなく陸上に分布する
本種より分生子の幅が広い
本種と異なり菌糸が単核菌糸ではなく多核菌糸である
本種と異なりコロニーが帯桃色~帯紫色ではなく黄褐色
SSU+ITS+LSU+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tritirachium cinnamomeum
分生子形成細胞が強く先細りになる
分生子形成細胞の配列が類似している(枝の末端に輪生する)
SSU+ITS+LSU+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり海洋ではなく陸上に分布する
本種と異なり分生子形成細胞が先細りにならない
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なり菌糸が単核菌糸ではなく多核菌糸である
本種と異なりコロニーが帯桃色~帯紫色ではなく黄褐色
SSU+ITS+LSU+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tritirachium roseum
分生子形成細胞が強く先細りになる
SSU+ITS+LSU+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり海洋ではなく陸上に分布する
本種と異なり分生子形成細胞が枝の末端で輪生することがない
本種より分生子が短い
本種と異なり分生子形成細胞がフラスコ形でない
本種と異なり菌糸が単核菌糸ではなく多核菌糸である
本種と異なりコロニーが帯桃色~帯紫色ではなく淡い帯紫ライラック色
SSU+ITS+LSU+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される